外構工事は、住宅の外周部分を整備し、安全性や利便性、見た目に影響を与える重要な工事です。そして、外構工事とエクステリアの違いや具体的な施工例を知ることが大切です。
本記事では、外構工事の基本から費用を抑えるポイントまで詳しくみていきましょう。
外構工事とは
外構工事とは、建物の外周部分の工事を意味する言葉です。庭やフェンス、駐車場、アプローチなどを含みます。外観を美しく整え、住宅の機能性を高めるために実施されます。
たとえば、駐車場も整備されていたほうが汚れやキズを防ぎやすくなり、生活の充実感が高まるといえるでしょう。
外構工事とエクステリアの違い
外構工事とは、住宅や建物の外周部分を整備する工事のことです。対して、エクステリアとは、建物の外観全体を意味します。
外構工事は、主に庭や駐車場、フェンス、門柱など外周に関する工事全てを意味しますが、エクステリアはこれに加えて、建物の外壁や屋根のデザイン、カラーリング、装飾なども含みます。
つまり、エクステリアは家の外観全てを対象としたデザイン性を重視する言葉であり、外構工事は外周の機能性と利便性を重視するものだといえます。
外構工事が重要な理由
外構工事が重要な理由は以下の2つに分けられます。施工することで住宅の価値や魅力を高められるといえるでしょう。
・安全性の向上につながる
フェンスや門柱の設置によって、不審者の侵入を防いだり、プライバシーを守ることもできます。駐車場やアプローチの整備により、車や歩行者の動線が確保され、事故のリスクを減少させる役割も果たすことが可能です。
・住宅のデザイン性を高められる
整備された庭やアプローチは、住まい全体の印象を大きく変えるため、住宅の価値を高められます。加えて、スペースを有効活用し、ガーデニングやデッキの設置を行えば、家族の団らんや趣味を充実させることもできるでしょう。
外構工事の範囲と具体例
外構工事は、建物の外周部分を整備し、住環境の快適性や安全性、美観を向上させるために行われます。しかし、外構工事の範囲は広く、多岐にわたる要素が含まれます。
ここでは、具体的な範囲と事例についてふれたうえで、土木工事との違いについてもみていきましょう。
外構工事の範囲はどこまで
外構工事の範囲は、建物の外周部分全般です。具体的には以下のような要素が含まれます。
- 庭:芝生の敷設、花壇の設置、池や噴水の設置など。
- 駐車場:コンクリートやアスファルトの舗装、カーポートの設置。
- フェンス:プライバシーを守るための目隠しフェンス、防犯フェンスなど。
- 門柱:デザイン性の高い門柱、表札の設置。
- アプローチ:石畳やタイルの敷設、バリアフリー対応のスロープ。
対して、土木工事は次のような要素が含まれるため、根本的に施工規模と範囲が異なる点は知っておきましょう。
- 道路工事: 道路の敷設や拡幅、舗装、補修など。
- 橋梁工事: 橋の建設、補修、耐震補強など。
具体的な外構工事の事例
外構工事の具体例としては、次のようなものがあります。
- 庭
- 芝生の敷設:庭全体に芝生を敷くことで、緑豊かな環境を作り出せます。手入れが容易で、子供やペットの遊び場にも適しているといえるでしょう。
- 花壇の設置:季節ごとの花を植えることで、庭に彩りがもたらされます。デザインに工夫を凝らすことで、家全体の印象を大きく変えられる点もメリットです。
- 駐車場の整備
- コンクリートやアスファルトの舗装:耐久性が高く、メンテナンスが容易な駐車スペースを作ることが可能です。
- カーポートの設置:車を雨や日差しから守るためのカーポートを設置することで、車の劣化を防げます。
- フェンスの設置:
- 目隠しフェンス:プライバシーを確保するために高さやデザインに工夫を凝らしたフェンスの設置も可能です。
- 防犯フェンス:不審者の侵入を防ぐための防犯対策としてフェンスを設置します。
外構工事の業務内容と施工の流れ
ここでは、外構工事の具体的な業務内容と契約までの流れ、工事の工程と進行状況について詳しくみていきましょう。
外構工事の具体的な業務内容
外構工事の具体的な仕事内容は多岐にわたるものの、ここでは、以下の代表的な作業内容について解説します。
- 設計・プランニング
お客様の要望をヒアリングし、最適な外構プランを作成します。この段階では、土地の形状や家のデザイン、お客様のライフスタイルを考慮してプランを立案することがほとんどです。
- 掘削・基礎工事:
必要な部分を掘り起こし、基礎を作ります。特に大型の構造物や重いものを設置する場合には、しっかりとした基礎工事が不可欠です。
- 舗装・敷設:
コンクリートやアスファルトの舗装、タイルや石材の敷設を行います。とくに駐車場やアプローチ、庭の通路に効果的で、使い勝手が向上するといえるでしょう。
- 構造物の設置:
フェンスや門柱、カーポート、物置などの設置を行います。プライバシー保護や防犯、収納スペースの確保に重要です。
- 植栽・ガーデニング:
庭に木や花を植え、緑豊かな環境を作ります。適切な植物の選定と配置によって、見た目と機能性を兼ね備えた庭を作り上げられるでしょう。
外構工事の契約までの流れ
外構工事を依頼する際の流れは次のとおりです。
- ヒアリング
お客様の要望を詳しく伺い、この段階で、どのような外構を希望しているか、予算、完成イメージなどを明確にします。
- 現地調査
現地を訪問し、土地の状況や周辺環境を確認します。地形や土質、日当たり、隣接する建物などを考慮し、プランニングに役立てることが目的です。
- プランニングと見積もり:
お客様の要望を基にプランを作成し、見積もりを提示する段階です。プランは詳細な図面やCGを用いて説明し、見積もりでは費用の内訳を明確にします。
- 契約
プランと見積もりに納得した場合は契約を結びます。契約書には工事内容、期間、費用、支払い条件などが記載されることは知っておきましょう。
- 施工
工事が開始されます。進捗状況は随時お客様に報告し、必要に応じて打ち合わせを行うケースも多いといえます。
- 完了検査と引き渡し:
工事が完了したら、お客様と共に最終チェックを行い、問題がなければ引き渡しとなるでしょう。この段階で、使用方法やメンテナンスについての説明も行います。
外構工事の工程と進行状況
外構工事の工程は、計画段階から施工完了まで細かく分かれており、主な工程は次のとおりとなっています。
- 計画段階:
お客様の要望を具体的な設計図に反映し、見積もりを作成し、工事ができる準備を整える段階です。
- 準備段階:
必要な資材の発注や現場で使用する機材の手配や工事に必要な許可や申請も実施します。
- 基礎工事:
地面の掘削と基礎を設置します。大型の構造物や重いものを設置する場合は、しっかりとした基礎が必要であるため、時間がかかる工程の1つです。
- 主要工事:
フェンスや門柱、駐車場などを設置します。この段階で、主要な構造物を設置し、外構の骨格が完成する点は知っておきましょう。
- 仕上げ工事:
植栽や照明を設置し、最終チェックを行います。最終的なチェックを行い、問題がなければお客様に引き渡すという流れになります。
各工程において、進捗状況は随時お客様に報告し、必要に応じて打ち合わせを行うことで、安心して工事を進めることが可能です。
外構工事は、計画から完成まで一連の流れを把握し、信頼できる業者に依頼することが成功の鍵だといえるでしょう。
外構工事の費用と期間
外構工事の費用と期間は、工事内容や規模によって大きく異なります。しかし、適切な計画と予算管理を行うことで、無駄を省き、効率的に工事を進めることも可能です。本章では、外構工事の平均費用や期間、費用を抑えるためのポイントについてみていきましょう。
外構工事の平均費用はいくら?
外構工事の費用は、工事内容や規模によって大きく異なります。そのうえで、一般的には以下のような費用がかかることが多い点は知っておきましょう。
- 庭の整備:10万円~50万円
芝生の敷設、花壇の設置、池や噴水の設置などを含みます。材料の種類や面積によって費用が変動するため、施工前に確認しましょう。
- 駐車場の整備:20万円~100万円
コンクリートの打設やアスファルトの舗装、カーポートの設置などが該当します。駐車場の広さや使用する材料の種類により費用が異なります。
- フェンスの設置:1メートルあたり1万円~3万円
プライバシーを守るための目隠しフェンスや防犯フェンスの設置が該当します。材質(木材、アルミ、スチールなど)によって費用が変わるため、ニーズにあったものを選択しましょう。
- 門柱とアプローチ:10万円~30万円
デザイン性の高い門柱やアプローチの設置が該当します。使用する素材やデザインの複雑さにより費用が異なるため、予算に合わせましょう。
- 外灯の設置:1万円~5万円
夜間の安全性を高めるための照明や装飾用のガーデンライトの設置が該当します。照明の種類や設置場所によって費用が変動するため、コミュニケーションを取りながら調整することが大切です。
外構工事にかかる期間の目安
外構工事にかかる期間も工事内容や規模によって異なります。一般的な目安は以下のとおりです。
- 小規模な工事(フェンスや外灯の設置など):1週間~2週間
比較的短期間で完了する工事が該当します。小規模な場合、設置場所の準備や材料の選定がスムーズに進む場合が多い点は知っておきましょう。
- 中規模な工事(駐車場やアプローチの整備など):2週間~1ヶ月
駐車場の舗装やアプローチの整備など、やや大きな規模の工事です。基礎工事や準備作業が必要となるため、打ち合わせ回数も増加します。
- 大規模な工事(庭全体のリフォームなど):1ヶ月~3ヶ月
庭全体のリフォームや大規模な変更が該当します。設計段階から施工完了までの期間が長くなり、複数の工種が関わることが多いため、工事の順番や調整が必要です。
費用を抑える方法と依頼のポイント
外構工事の費用を抑えるための方法として、以下のポイントを意識しましょう。
- 材料の選定:高価な材料を避け、コストパフォーマンスの良い材料を選びましょう。同じ機能を持つ材料でも、ブランドや素材の違いで費用が大きく異なります。複数の選択肢を比較検討することが重要です。
- 工事の範囲を限定:必要最低限の工事範囲に絞ることで、費用を抑えられます。優先順位を明確にし、必要不可欠な部分から工事を進めましょう。段階的な施工計画を立てることで、予算内での施工が可能です。
- DIYの活用:植栽や簡単な塗装作業など、専門的な技術を必要としない作業は自分で行いましょう。そうすることで、全体の工事費用を削減できます。
業者を選定するタイミングでは以下のポイントを意識しましょう。
- 信頼できる業者を選定する
過去の顧客の口コミや評判を確認することで、業者の信頼性を判断できます。また、施工実績が豊富な業者を選ぶと不安が軽減され、似たような工事を行った経験があるかどうかを確認するとよいでしょう。
見積もりは、複数の業者から取り、内容と費用を比較することが大切です。
・明確な契約内容
具体的な工事内容と範囲を明確にし、契約書に詳細な工事内容が記載されているかを確認しましょう。見積もりの内訳を詳細に確認し、不明点があれば質問することも大切です。
また、工事の開始日と完了予定日を確認し、予定が合わない場合は調整する必要もあります。
外構工事のまとめ
外構工事は、住宅の外周部分を整備し、安全性や利便性、家の見た目に影響を与える重要な工事です。依頼する際は範囲や内容、費用、期間などについてしっかりと把握して、信頼できる業者に依頼しましょう。